中村陽二のフランチャイズ研究
           
ところが、店の経営にはそういう免許制はありません。自分で勉強して知識を自分のものにしないといけません。免許をくれる制度は経営にはありません。しかし、車には免許制があります。経営の場合は免許がないがそれ相応の努力をして自分のものにしないと経営が出来なくなります。車は無免許で運転して警察に捕まることもあると思います。経営はあんまり勉強しなくてもやれることもあるかもしれませんが、警察は咎めなくても利益という形になって、本人に跳ね返ってきます。高速道路を走っていくようなものだが走る車は自分で投資をしないといけないし、車の運転は自分でしないといけないというのをフランチャイズになぞらえると、ロイヤリティを払って店の経営・設備投資は、オーナーが自分でしないといけないというのがフランチャイズの場合の基本になります。

このように、今までは地道を走るのが自主創業で、高速道路を走るのがフランチャイズと、申し上げてきましたが、フランチャイズと高速道路と大きく違う点がいくつかあります。高速道路には、一定の規格があって道路が建設されています。高速道路の場合は、道路幅がこれだけで、傾斜がこれ位で、周るカーブはこれ位の基準でというようなことが大体決まっています。
構造的にも1つの規格が決まっているので、名神を走ろうが、東名を走ろうが、あるいは中国自動車道を走ろうが、高速道路ということで、我々は一まとめにして理解しているように、格差はありません。ところが、フランチャイズの場合は、ある一定の基準を満たさないと、フランチャイジーを募集出来ないという法律は一切ありません。ザーには法律のような規格は日本ではありません。

非常にシステム的にも整備された立派なフランチャイザーがあるかと思うと、もう2店か3店、店をやってフランチャイザーだといって、加盟店を募集してやろうというようなザーも無きにしも非ずです。ということでザーの場合はピンからキリまで、幅があります。差があります。高速道路はほとんど差はないですが、フランチャイズの場合は、道路を例にすると、非常に立派な道路からガタガタの舗装もしていないような道路まで様々なばらつきがあります。これがフランチャイズと高速道路の違いの1点です。フランチャイズも18兆円という売上になりまして、ピンからキリまでのザーがあるのは好ましくないというので、法律的には規制は行われています。しかし、この基準をパスしなければ、ザーといってはいけないというような規格はありません。

フランチャイザーの規制は、特に去年の4月から非常に厳しくなりまして、フランチャイザーの情報を公開しないといけないというのが法律で決まりました。どういう情報を公開しないといけないのかというのは、中小企業庁がフランチャイズ契約の理解を求めるために出している文の中で、公開しないといけない項目が3ページから5ページにわたって書いてあります。3ページ目に「本部事業者の氏名及び本部」というのがあります。その下に※が付いていて、去年の4月から法律改正で新しく情報公開しないといけないというのが決まった所です。これだけで15項目追加されています。この内容について説明していますと、これだけで時間がなくなってしまいますので、こういう規制があるということを理解して頂きたいと思います。

その中で特に注意をして頂かないといけないのは、2ページの枠の中に書いてあります。私どもから見ても、ここまで情報公開しないといけないのかいう中に株主の構成とか3事業の財務諸表などいろいろありますが、3ページ下の7の項目に書いてありますように、直近5事業年度におけるフランチャイズ契約に関する訴訟の件数、これをオープンにしないといけません。裁判事件を情報公開しないといけないとなっています。そうなると裁判事件を起こしている所はどんな問題で起こしているのか、その結果がどうなっているのかを全部情報公開をしないといけないよういになっています。こういう内容がこれから加盟する場合に1つの選択の基準にもなってくるかと思います。フランチャイズと高速道路と違うのは、法的な認可制では一切ないということです。法律的にこういう基準を満たさないとザーではない、募集していはいけないという基準はありません。

もう1つ、ザーを選別する時に考えて頂くことは、大阪から東京まで高速道路で行くにしても、高速道路は1本だけではないということです。名古屋から中央高速道路もあるし、何本も高速道路は走っているので、決して1本ではないということです。皆さんは高速道路に乗ろうとする時に、目的地によってどの道を走ろうかと研究されると思います。「ここまでは名神で行き、これからはこちらの中央縦貫道を走って行こうか。」あるいは「ここに行くにしても、西名阪と東名阪を使って名古屋まで行って、東名の高速道路に乗ろうか。」など東京に行く時も、いろいろ事前に調査をして「じゃ、これで行こう。」と意思決定するはずです。どっちが運転が楽だ、料金はどっちが安いかなどと、いろいろなことを研究して「こっちの道を行こう。」と意思決定するはずです。高速道路を走る場合も、1つの選択を迫られるということがいえます。

フランチャイザーのある業種に絞って、その業種のフランチャイズの中でどのザーに加盟しようかという時に、ザーのいろいろな条件を調べられると思います。高速道路、フランチャイズのいずれも、事前の情報の収集の必要性を知っておいて下さい。
地道と高速道路で、FCは高速道路であり、東京という1つの目的地、利益に対してどういう方法で攻めていくかという中の一つに、フランチャイズというものがあります。フランチャイズと高速道路との違いは、フランチャイズには認可制がなく、従ってよく自分の目で確かめないと変なフランチャイザーを掴まされる恐れがあることです。
高速道路も行く道路によって、いろいろな選択肢があり、当然旅行される時には事前に調査をされるでしょうが、フランチャイズを選ぶ時も、同じ業種であっても、多くのザーがあって、その中で自分に最も適正なものを選ぶための情報の収集の重要性を理解して頂ければと思います。